ネイチャーアクアリウムだけでなく、水槽を維持する上で一番の問題は藻類の発生である。藻類は、水草に付着していたり、購入した魚の飼育水に混じっていたり、あるいは空気中の胞子が水槽に入って発生する。したがって、水槽に藻類をまったく入れないことは、事実上不可能なことなのである。そこで重要になるのは、いかにして藻類の増殖を抑えるかということになる。
藻類には、水草や石などに付着する付着藻類と、水中を浮遊する植物プランクトンの2つのタイプがある。付着藻類は、水槽のガラスなどにも付着しやすく、非常に汚らしく見える。また、葉を滞って水草の光合成を阻害するため、水草の生長も悪くなる。浮遊性の植物プランクトンが増殖すると水が茶色や緑色に濁るようになる。藻類を駆除する上で問題になるのが、藻類も水草と同じ植物だということである。すなわち、藻類を駆除するための薬剤は水草にも少なからずダメージを与えるのだ。
また、水草が生長に必要とする光や栄養素は藻類の増殖にも用いられるため、藻類の増殖を嫌って長期間水槽の照明を消しておいたり栄養素を与えないと水草も健康に育つことができない。水草にも安全な対策を講じる必要があるのだ。
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