熱帯魚と水草のアクアリウムプロショップ DREAM THEATER   更新日:  

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CO2添加の必要性

ネイチャーアクアリウムでは、水草の光合成を活発に行わせるため、水槽にCO2を添加している。光合成は植物細胞中の葉緑体が光を受け、そのエネルギーを利用して水とC02から有機物を合成する働きであり、その副産物として酸素が放出される。この酸素は、すべての酸素呼吸を行う生物に利用される。水草も水中で光合成を行って生長し、水中に酸素を放出しているのである。

陸上植物の場合、空気中のCO2を吸収して光合成を行っているが、水中で光合成を行う水草は水に溶けたCO2を吸収して光合成を行う。水槽で水草を育成する場合、水草の植栽量が少なく、照明も暗く光合成があまり盛んでなければ、水面から自然に溶け込むC02と、魚や微生物の呼吸によって放出されるCO2だけで十分なこともある。しかし、水槽にたくさんの水草を植栽し、さらに照明を明るくすることで水草の光合成が盛んになると、CO2が不足して光合成が十分に行えなくなる。そのため、CO2を添加することで初めて水草が健康に生長できるのである。

また、光合成が活発になると水中の溶存酸素量が増え、底床やろ過槽の微生物の働きが活発になるため、環境が良好に保ちやすくなるメリットもある。



CO2レギュレーターの役割

狭い水槽の中で光合成が盛んになると、これらの自然に溶け込むCO2だけでは間に合わなくなる。C02は水中に溶け込みやすい性質があるのと同時に、水中から逃げやすい性質があるため、水草がC02を吸収して盛んに光合成を行っている照明点灯中は、CO2を供給し続ける必要があると言える。現在、水槽にC02を供給する方法としては高圧CO2ボンベを利用する方法が主流となっている。

高圧CO2ボンベは、そのままバルブを開いただけではCO2が勢いよく噴出してしまい、水槽に安定して供給することはできない。そのため、C02レギュレーターを取り付け、C02を少しずつ安定して取り出す必要があるのだ。なお、CO2ボンベには再充填可能な大型CO2ボンベと、使いきりのCO2小型カートリッジボンベがあるが、大型と小型では接続部の形状が異なり、それぞれ専用のCO2レギュレーターが必要になる。

大型C02ボンベ専用のものとしてはC02アタッシュレギュレーターとC02スピードレギュレーター、CO2小型力一トリツジボンベ専用のものとしてはC02システム74・YA/Ver.2とCO2システム74・SAがあり水槽の大きさや分岐の有無など
によって使い分ける。


CO2拡散器具の役割

CO2レギュレーターから出たCO2は、そのままチューブを水槽に入れても十分には溶けない(1)CO2を水中に溶け込ませる方法として、現在ではパレングラス・シリーズを使った自然添加が主流になっている。パレングラスの非常に目の細かいガラスフィルターを通過することで、C02が細かい気泡になって水中に拡散される。この細かいCO2の気泡が水中を漂いながら、水に溶け込むのである。

チューブから直接出たCO2は気泡が大きく、浮力ですぐに水面に達して弾け、大部分のCO2が空気中に逃げてしまう。パレングラスで拡散された気泡の中にも、水面に達して弾けてしまうものもあるが、全体的に気泡が小さいため、水面に達するまでの間にCO2が十分に溶け込んでいるのである。C02添加量はスピードコントローラーで調節し、C02グラスカウンター(またはCO2ビートルカウンター)で確認する。

CO2添加量は、水を満たしたC02グラスカウンターの中を、1秒間に気泡が何滴通過したかで表される。実際にC02添加量を測定する場合には、10秒間に通過した気泡の数をカウントし、それを10で割って1秒当たりの気泡数を割り出すようにすると計測しやすい。

CO2アドバンスシステムの設置

CO2アドバンスシステムは、CO2添加の初心者向けに必要な器具を集めたもので、主に60cm水槽での使用に適している。基本的な接続は説明書に従えばよいが、ここで注意したほうがいいのが、チューブの長さである。チューブが必要以上に長いといろいろなトラブルの原因になるので、多少の余裕を見て、必要最低限の長さに調節する。また、逆流防止弁は消耗品なので、一年を目安に定期的に交換する。また、逆流防止弁をカボーションルビーやストレートチェックバルブに交換すると長期間使用できる。

CO2添加システムの拡張

大型水槽では水量が多くなるため、当然、CO2添加量も多くなる。パレングラスは、基本的には60cm水槽以下の小型水槽に対応したもので、90cm水槽以上の大型水槽には適さない。そのため、大型水槽では、パレングラス・ビートルなどを使うことになる。パレングラスビートルには、拡散面の面積の異なる3つのサイズがあるが、180cm水槽などで一番大きなサイズの50Φでも十分なCO2が溶け込まない場合は、配管を分岐して複数のパレングラスビートルでC02を添加する必要がある。

スピードコントローラーでC02の添加量をどんどん増やしていくと、パレングラスの拡散面から出る気泡がしだいに大きくなり、水面で弾けて逃げる量も多くなってしまう。つまり、無駄になるCO2の量が多くなるのだ。したがって、C02の添加量を増やす場合にはパレングラスの拡散面の面積を大きくして、細かい気泡が出るようにする必要があると言える。また、さらに添加量を増やしたい場合には、パレングラスの数を増やすことでパレングラス一つ当たりの添加量を少なくし、気泡の細かさを維持する必要がある。そのために、分岐パーツや単体のスピードコントローラーが必要になる。


CO2添加量の判断

水草の種類にもよるが、光合成を盛んに行っているリシアや有茎草の葉の先端には、酸素を多く含む気泡が付くことがある。この気泡も、CO2添加量の判断材料となる。リシアや有茎草が生長しているが、葉の先端に光合成による気泡が付いていない場合には、まだCO2添加量を増やす余地があるということになる。逆に、C02添加量が多すぎると、ヤマトヌマエビの脚の動きが緩慢になる。

これらはCO2添加量を判断する目安になるが、常に水槽を観察し続けるわけにもいかない。そこでCO2添加量を判断する一つの目安となるのが、PHの変化である。C02を添加するとpHは低下する。逆に光合成によってCO2が消費されるとpHは上昇する。夜間エアレーションを行った水槽で、照明点灯前にPHが7.2〜7.4程度の弱アルカリ性になっていたとする。そこからCO2添加を始め、光合成が最も盛んになる4〜5時間後にPHが6.6〜6.8程度の弱酸性になっていれば、このCO2添加量はほぼ適切と判断できる。

このCO2とpHの関係を利用してCO2添加量を連続的に確認できるのがドロップチエッカーである。水槽内に常時設置ておくことで、C02添力量の過不足を判断することができる。


スーパージェットフィルターES・600接続例
大型水槽でのCO2添加
180cm水槽以上の大型水槽でCO2を添加する場合、CO2を分岐して複数のパレングラスビートルで添加すると効率がよくなる。また、CO2を分岐した場合、それぞれのパレングラスに対して、スピードコントローラーとC02ビートルカウンターが必要になる。


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